2012年11月13日火曜日
10.Nachbar
「ハァ・・・アレを買い忘れるなンて・・・しくじったぜ・・・ったく」
「やっだ~こわ~~い!」
キャイキャイ
「・・・あン?」
(主婦の井戸端会議かァ?・・・ヒマそ~だなァオイ)
「でもほんと~なの?町はずれの洋館に魔物が棲んでるって、そのウワサ!」
「ホントホント!」
「え~~~?」
「あのねあのね!昼はヒトの姿を借りて世間様に紛れてるんですって!」
「あら!その魔物って擬態するの~!?それじゃぁみんな気が付かないじゃない~~」
「そうそう!でね!夜になると真の姿を表すらしいわよ~~」
「きゃ~~!こわ~~い!!夜、歩けな~~~い!!www」
「あなたなんか襲われないわよ~!wwその魔物、若い女が好きってうわさだもの!ww」
「なによ!www私十分若いじゃない!www」
「え~~www」
「ね、ちょっと・・・!」
「・・・なんかガラの悪そうなのがこっち見てるわよ・・・」
「やだ!チンピラよ~~~~!!」
「こわ~~~~い!!」
「逃げましょ逃げましょ」
(町はずれの洋館って・・・ウチのこと、か・・・?)
・
・
・
(暇人どもが!)
(町はずれの古い洋館ってだけで適当なこと言いやがって・・・
(実際にゃただの厨二病の屋敷だっつーの!)
(クッソ!なンかよくわっかンねーけどすっげームカつくぜ!!)
(てかアイツ・・・ここらの住民とうまくやれてないのか・・・?)
(・・・)
「うわっ、やべっ作りすぎた」
ボンヤリは調理の敵でございます(^0^)
「おお~!良い香りじゃのぉ!今日は何じゃ?」
「あァ!?あー・・・シチューを作ってたんだ」
「ほう!しちゅうか!旨そうじゃのぉ。少々多いようじゃが」
「うっせーな!作りすぎたのは百も承知だっつの!」
「畜生・・・これ、どうすっかなァ・・・」
「それならばご近所さんにおすそ分けしようではないか」
「あァ?」
「人間界ではこのような場合、おすそ分けをするものなのだろう?本に書いてあったぞ」
魔王は最近ラノベにハマっていた
「・・・あんな連中・・・わざわざ恵ンでやることないだろ」
「あんな連中?サイ、そちはご近所さんを知っておるのか?」
「いや・・・別に。・・・お前は?」
「全然じゃ。近隣住民の顔さえ知らぬ。今まで料理が余ったことなどなかったからな」
「ふぅン」
「・・・・」
「・・・じゃ、行く?」
「おお?!なんじゃそち、乗り気じゃの!」
「ではさっそく出かける準備じゃ!用意して参れ」
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と、いうわけでございまして
今回の魔王様は同居人を引き連れてご近所訪問をするようでございます。
魔王様はご近所付き合いなど今まで全くしてこられなかったので
シチューのおすそ分けが、交流のきっかけになれば嬉しいことでございますね
まず一軒目のお宅。いやはやなかなかの豪邸
と、おお!ここはどうやら
スーパーで噂話をしていたオバちゃんズのお宅のよう!
ここで好印象を残しておけば噂も消し飛んじゃう感じじゃないですか!?
魔王様!レッツゴーでございます!
「こんにちは」
「ご機嫌よう。余はアルトゥール・エーベルハルト・フェ(略)と申す。以後、お見知りおきを」
「えっ、なにそれ?名前?」
「そうじゃ、余はアルトゥール・エーベルハルト・フェ(略)。闇の世界の住人じゃ」
「おかしな人ね・・・」
好印象とか、だめぽ(^~^)
早くも無理ゲーな感じが致しますが、ここで挽回ですよ!魔王様
「お近づきのしるしに、ぷれぜんと・ふぉーゆー、じゃ!」
「・・・何よこれ」
「うちの料理人がこさえたシチューじゃ!出来立てのまま持ってきたからの。美味じゃぞ~?」
「いらないわ」
「な・・・なんじゃとーー!!?」
「よく知りもしない人から食べ物なんてもらえるわけないでしょ」
「サイがせっかく作ったのじゃぞ!?それを・・・そちはまったく・・・!なんて奴じゃ!!」
「サイって誰よ」
なんということでございましょう!
あの人間・・・!魔王様からの贈り物を拒絶いたしました!
なんたる屈辱!なんたる非礼!
ビンタのひとつでも食らわしてやりたい気持ちでしたが
魔王様にそのような蛮行は似つかわしくないので
スマートに魔法勝負を挑むことにしました
「人間風情が・・・!自らのふるまいを後悔させてやろう・・・!」
「ふん・・・!あなたに私を倒すことができるかしら・・・?」
魔王様 VS おばちゃん!世紀の魔法対決でございます!
てか、このオバチャン魔法使いだったんかーい(^0^)
「稲光よ!私に力を!」
「なんのこれしき!」
「大蛇の毒よ!奴に永遠の眠りを!」
「効かぬわ!」
おお~!なんだかとってもふァリー・ポッティー!(英語発音風)
(あーなンか眠くなってきたわ)
決闘の発端であるはずの同居人。知らん顔で窓の外を眺めるの図
この人のこういうとこ、好きだわ~(^~^
と、しばらく同居人を眺めていたら魔法バトルが終わっておりました
筆者の集中力の無さよ・・・w
「やった!余の勝ちじゃ!」
おお!!魔王様が勝利をもぎ取ったようですね!
それでこそ深淵の淵を統べる邪悪なる王でございますよ!魔王様!
「ククク・・・!余の勝ち!余の勝ちじゃ!」
人間の皮をかぶっているせいで微弱な魔法しか使えないのにもかかわらず
魔法対決でおばちゃん魔女に打ち勝つことができた魔王様。
「あっはっはっは!」
あまりの嬉しさに床を放火。
※人んち
「ちょ!!おい!!火事だ!!火事だぞ!!!うわああああ!!!」
すっとんできて騒ぎだす同居人(笑)
魔法対決の時は全然知らん顔してたのに。リアリストってやつはこれだから・・・w
ま、でもぉ~アレっしょ?
家の人が適当になんとかしてくれるっしょ
おばちゃん以外にも住んでる人いるっぽいし~~
な~~んて放置して帰ろうしていた筆者でございましたが(鬼畜)
誰もなんとかしてくれそうになかったので
同居人に消火指示。
「おいいいいい!何で誰も動かねェンだあああああ!!!何とかしろよおおおお!!!!」
主の尻拭いおつかれーっすwww
「ん!?火事!??」
「さっきから言ってンだろーが!!」
消火が終盤を迎えたあたりでようやく魔女おばちゃんが消火に加わってくれました。
自分ちの火事くれー自分でなんとかしろや!
「ハァ・・・やっと消し終わったぜ・・・」
いや本当。やれやれだぜって感じーな同居人でしたが
「・・・あなた、あの放火女とどういう関係なの?」
「え・・・さっきの火ィ出したの、アイツなの・・・」
「怒」
「・・・サーセンした」
ボヤ騒ぎを起こしたとかなんとかで
魔女おばちゃんにメチャクチャ怒られることになったのでした(^0^)
(人んち放火するってどンだけ!!?)
その頃魔王様は
後始末をすべて放棄して風のように颯爽と逃亡を図っておいででした。
さ、最低だな!
長くなってしまったので、後半へ
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