2012年4月8日日曜日
【ラベンダー×カモミール】 傷 【R-18】
ラベンダーと初めて出会ったのは
俺がバイトしている花屋でだった。
彼は俺の店の常連さんだった。
いつもフラッと訪れては、高価な花をポンポン買っていくけれど
上品でセンスのある組み合わせをしていく
男の俺でも見とれてしまうような
綺麗な人。
それが最初の印象だった
彼はそんなに多くを語るような人ではなかったけど、
俺はあの人と話すのが好きだった
年下の俺にも調子を合わせてくれてたから。
上品で、大人で・・・
かっこいいなって思ってた。
本当はもうすこし仲良く・・・友達とまではいかなくても
知人くらいにはなってみたいなーなんて・・・
でも
俺達は店員とお客。
この関係は永遠に交わらないんだろうなって
ずっとそう思っていた。
・・・だけどある日
『はぁー・・・今日も疲れたなぁー』
『・・・ん?』
『あれ・・・あの人だ・・・!』
『・・・何してるんだろう・・・?』
『・・・』
上品で、大人な彼はどこにもいなかった。
この日の彼は
なんだか・・・ひとりぼっちの迷子の子供みたいに
途方に暮れているように見えて・・・
放っておけなかった。
『こんばんは!』
『えっ・・・あ・・・・』
『こんな時間までお仕事ですか? お疲れ様です!』
『ありがとう。』
『こちらこそ!いつもうちの店で花を買ってくれてありがとう!』
『ふふっ どういたしまして』
『お花、好きなんですか?』
『・・・・』
『・・・うん』
『好きだよ。大好き』
『大好きだよ。』
・・・その時彼はとても優しく微笑んでいたけど
まるで
泣いているかのように見えた
彼にそんな顔をさせてしまったのが
申し訳なくて、苦しかった。
俺に何かできればいいのに
彼のことをわかってあげられればいいのにって
心から、そう思った。
・
・
・
「・・・ミール・・・・」
「カモミール」
「カモミール?」
「えっ」
「どうしたの?ぼうっとして」
「あっ・・・えーと・・・ごめん。ちょっと酔っちゃって・・・」
「飲みすぎちゃった?」
「う、ううん!大丈夫だよ」
そう思ったはずなのに
付き合っているはずなのに
俺は
彼が何を考えているのかわからない
『お前、遊ばれてんじゃねぇの?』
『本当に付き合ってるっていえんの?』
マオの言葉ばかりが頭の中でぐるぐるしていて
・・・苦しい
「ね・・・ねぇ、ラベンダー」
「なあに?」
「・・・」
「あの・・・あのさ・・・俺のこと、好き・・・・?」
「もちろんだよ」
(『もちろん』・・・・)
(もちろん・・・何・・・?)
ラベンダーは
付き合ってからずっと俺に「好き」って言ってくれてない。
全然キス以上のこと、してくれない。
・・・どうして?
ねぇ、ラベンダー
本当は何を考えているの?
俺のことどう思ってるの?
俺って彼氏なんだよね?
俺は・・・
もっとラベンダーに触れたいし
触れてほしい
ラベンダーは・・・?
「・・・」
「どうしたの?」
「・・・ううん。なんでもない」
「どこか痛いの?」
「いや・・・ほんとに大丈夫」
「ちゃんと言わないとわからないよ」
「頭が痛いの?おなか?脚?」
「それとも・・・」
「ここが痛いのかな?」
「・・・っ!」
「ラ、ラベンダー・・・・!手が・・・あ・・・」
「うん。触ってるよ?気持ちいいでしょ?」
「ぁっ・・・嫌・・・やめっ・・・!」
「あれ?ちょっと触っただけなのに、もうこんななっちゃってるよ?」
「ぴくぴくしちゃって・・・ ふふっ かわいい。」
「もっとおっきくしてあげたくなっちゃう。」
「あっ・・・!
「ん、ぅ・・・・や・・・ぁ・・・!」
「あはっ もうぬるぬるだね?えっち。」
(ひどいよ・・・こんな・・・急に・・・!)
あまりにも急な仕打ちに頭が混乱する
でも・・・
振りほどけない
ラベンダーの手だから・・・
「うっ・・・うぅ・・・」
「もうイッちゃいそうだね? カモミールは敏感さんだって知ってるけれど
「今日はなんだかいつもより感じやすいみたい。」
「もしかして・・・溜まってる?」
「そっ・・・!そんなこと・・・!」
「あれ?図星?」
「ねぇ、カモミールって・・・
「いつも私で自慰してるの?」
「なっ・・・・!」
「私と会えない時はひとりで気持ち良くなってるんだよね?
「どうやってやってるの?教えて?」
「そんなの・・・言うわけないだろっ・・・!」
「えー 知りたいのに。けち。」
「教えるか!この、ばか!」
「強がっちゃってかわいい。」
「・・・強がってなんか・・・!」
「でも・・・
「自慰だけじゃ足りないよね?」
「・・・何が言いたいの・・・」
「ん? したいなぁって話」
「えっ・・・したいって・・・」
「カモミールとえっちなことしたい。」
「!」
「だって、付き合ってからまだ一回もしてないでしょ?
「若いカモミールにはそろそろ我慢の限界なんじゃない?」
「な・・・そんなことっ・・・」
「今晩、泊まっていけばいいよ」
「カモミールの体、ぜーんぶ舐めてあげる。
「気持ちいいところ全部試して、何回でもイかせてあげる。」
「・・・!何言ってんだよ・・・ばか!」
「・・・・恥ずかしい・・・よ」
「私はカモミールの恥ずかしいとこ、全部見たいの。」
「全部知りたいから。」
「えっ・・・?」
「だから、朝までずっと一緒にいよう?」
「ずーっと抱きしめててあげるから・・・」
「ね?カモミール。」
「ぁ・・・ラ、ラベンダー・・・・」
「俺も・・・・」
俺も・・・
ラベンダーのこと・・・
もっともっと知りたい・・・!
「あはっ」
「なーんちゃって
「冗談だよ。カモミール。びっくりしちゃった?」
「えっ・・・?」
「カモミールはそろそろ帰らなきゃいけないから無理だよ。」
「帰るって・・・・な、なんで・・・?」
「だってほら、もうこんな時間だよ?早く帰らないと明日に響いちゃう」
「大丈夫だよ・・・!!」
「朝帰りなんかしたら近所の人に悪く思われちゃうよ?
「私はカモミールの評判が悪くなっちゃうなんて許せないなぁ。」
「そんな・・・・そんなこと・・・!」
「それに・・・
「青少年はきちんとおうちに帰さなきゃね。
「さ、帰る支度して?」
な・・・
なんで笑っているの・・・? ラベンダー・・・
ひどい
「普段は人目なんか気にしないくせに・・・」
「え?」
「青少年だって!?
「じゃ、その青少年の俺を襲ったのはどこの誰だよ!!」
「カモミール?」
「ラベンダーはいつもそう!
「俺をからかって・・・いじって・・・遊んでるだけなんだ!!」
「俺の気持ちなんて本当はどうだっていいんだろ!!?」
「俺だって・・・
「性欲・・・あるよ・・・?」
「ラベンダーとしたいし・・・期待だってする・・・」
「ラベンダーが好きだからっ・・・!」
「んっ・・・ぅ」
「っ・・・はぁっ・・・!」
「好きだ・・・!
「好き好き好き好き好きすきっ・・・!」
「・・・ラベンダーは?
「ラベンダーは・・・!?」
「ラベンダーぁ・・・・」
「俺のこと好きって言って・・・!
「ごまかさないで!ちゃんと言ってよぉ・・・!」
「俺ばっか・・・こんな好きで・・・
「苦しいよ・・・・・」
ひどい・・・
ひどいよ・・・
ラベンダーは・・・・・ひどい・・・・・・
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