2012年4月11日水曜日
【ラベンダー×カモミール】 ユガミ 【前編】
「んー」
「おいしい!ここのハンバーガー、すっごくおいしいよ?
「はやくカモミールも食べてごらん!」
「・・・・」
「カモミール?」
「どうしたの?」
「えっ!」
「なぁに?にやにやしちゃって・・・」
「・・・へへへー!秘密っ!」
新しいファストフード店がオープンしたから
ラベンダーを誘ってみた
(ファーストフードが好き、だなんて
(ほんと意外だよなぁ)
(普段はあんなに大人っぽいのに
(あんなにうれしそうに食べて・・・・・)
(・・・かわいいなぁ・・・・・)
「もしかして・・・私に見惚れてた?」
「なっ・・・///!」
「そ、そんなわけないだろっ!この、ばか!」
「えー?でも、なんだかそんな風にみえたよ?」
「ラベンダーは自意識過剰すぎ!」
「えー?」
(な、なんでわかったんだよ・・・!もう!)
こういう
他愛のない会話をしているときが
俺にとってほんとに大事で
かけがえのない瞬間で・・・・
「うれしい」がいっぱいになる時間、だったりする
好きだなぁ・・・
・・・・したいなぁ
キス、したい
「・・・カモミール」
「ん?どうし・・・」
「!」
「ら、ラベンダー・・・・っ!」
(な、どうして急にこんな・・・!///)
「ごめんね?」
「キスしたくなっちゃったの。
「だから、つい。」
「・・・・ラベンダー」
俺と・・・おなじ、きもちだったんだ
]
「・・・嫌だった?」
「ううん。・・・俺も、したいって思ってた」
「そっか。ふふ うれしい。」
うれしいなぁ
しあわせ・・・
「あれー?カモミール?」
「!?」
「カモミールじゃん!」
「・・・マ、マオ!?」
「うーっす」
「こんなとこで会うなんてすっげー偶然だよなー」
「てか、もうめっちゃ疲れたーー!も、まじノドかわいたしー
「あ、お前なに飲んでんの?ひとくちちょーだい」
「・・・自分で買えよ」
「はー!?ちょっとくらいイイじゃーん!ケチ!」
(・・・・なにチャッカリ相席してんだよ・・・
(せっかくいい雰囲気だったのに・・・くそ、マオのやつ・・・)
「お友達?」
「あっ、えっと・・・」
「カモミールの親友のマオっすー!」
「てか、この人誰?」
「えっ・・・!」
「なんかめっちゃ仲良さそうじゃん。紹介してくれよ」
「えっと・・・・」
(どう、説明すればいいんだろう
(彼氏だって正直に言ったほうがいいのかな)
(でも、俺・・・
(マオには、ラベンダーのこと曖昧にしか話してない
(というか・・・『彼女』だって話しちゃってるし・・・)
(心の準備だって・・・)
「それは、私に対して言っているの?」
「そうっすー」
「アンタ、コイツの何なんすか?」
「マ、マオ・・・!」
(な・・・!なんでそんなつっかかるような言い方・・・!)
「恋人だけど?」
「!!」
「・・・は?」
「なーんちゃって。
「冗談だよ。私はカモミールのお店の常連客なんだ。」
「ま、友達ってとこかな。」
(・・・!ラベンダー・・・)
「も、ちょっとー!びっくりさせないでくださいよ!
「ホモかと思っちゃいましたよー!ww」
「それはまぁ、本当のことなんだけd」
「あーーー!」
「マ、マオ!お前どうしてこっちいんの!?
「なんか用!?」
「はー?」
「なんか用ってなんだよw
「俺だってもともとはこの町出身だっつのー」
あ・・・
あれ・・・俺・・・
「あ、俺。都会に住んでんすよ
「大学が向こうだから通うわけにもいかないしーみたいな感じでー」
「へぇ。大学生なんだ?」
「そうっすー」
「ブリッジポート大学理工学部2年!
「こう見えてもアタマいいんっすよ?」
「ふふ、そっか。」
俺・・・
どうしてこんなに・・・焦ってるんだ・・・・?
なんであんなに必死になって話題をかえようとして・・・
・・・ラベンダーと俺の関係を
マオに知られるのが嫌だったから・・・・?
・・・ちがう!
ラベンダーとのことは、別に秘密にしてるわけじゃない。
ただ、ほんとのことをマオにも誰にも言ってないだけ
言えてないだけなんだ
だから・・・だから・・・
「っ・・・」
俺はいったい誰に言い訳しているんだ・・・?
ラベンダーに?
俺自身に?
なんで・・・・
ラベンダーはきっと、俺のために嘘をついてくれたのに・・・
「カモミール、おい、カモミールってば」
「!」
「あ・・・」
「何ぼーっとしてんだよ?
「・・・お前ってホンット相変わらずだよなー」
「そのボンヤリ癖、いいかげんなおせば?」
「っ・・・!うっさいなー!マオのくせに!」
「マオのくせにってなんだよ!
「てか、お前。昨日俺が送ったメールシカトしたろ!?」
「・・・えっ、メール?」
「いつ会えるかどうかってメールしたじゃん」
「えっ、いつ・・・?」
「はー・・・
「もう、お前いい加減にしろよー?」
「・・・ごめん」
(・・・最近はずっとラベンダー専用携帯をいじってたから
(きっと見逃しちゃってたんだ・・・)
「・・・」
「カノジョとべったりもいいけどさぁ
「たまには俺のこともかまってくれっつーの」
「!」
「彼女・・・?」
「彼女ってなに?どういうこと?」
「えっ・・・えっと・・・」
(ちがうんだ・・・!
(それは、ラベンダーのことで・・・・)
(マオのやつ・・・!なんだってそんなことを・・・・!)
「あっれー?知らないんすか?」
「こいつ、カノジョいんすよ。年上で、すっげーエロいカノジョ!」
「ば・・・!マオ、やめろよ!」
「いいじゃんちょっとくらい」
「で、なんかもう、向こうからグイグイいっちゃうらしいっすよー?
「やばくないっすか?」
「ふうん?」
「・・・その子、なんて名前なの?」
「?こいつのカノジョの名前っすか?
「えっとー・・・たしか、ラベンダーっていうらしいっすよ」
「あっ・・まっ・・・!マオ・・・!」
「へぇ。」
「・・・」
「・・・」
嘘をついた
マオにラベンダーのことを言えないから
『彼女』だと嘘をついた
俺達の関係は誰にも言えないもので・・・
だから、きっとおかしいことなんだろうけど
マオにラベンダーのことを聴いてほしかった
だから
嘘をついた
いつかほんとのことを言えたらいいとは思っていた
だから
その日がくるまでごまかしてもいいって嘘で塗り固めて・・・
ラベンダーにまで嘘をつかせた
そういう嘘は
ひどく、相手を傷つけると知っていたはずなのに
(俺、自分のことしか考えてないじゃん・・・)
最悪
「で、けっきょくいつ会うわけ?」
「え・・・」
「も、今決めちゃおうぜー!
「明後日とかどう?」
・・・・・ラベンダーの前で、決めるの・・・?
「え・・・えっと・・・」
「いいよな?」
「な?カモミール」
「ちょっ・・・!」
「おい!ベタベタすんなよ暑苦しい!」
(な・・・なんでこんなことすんだよ・・・!
(ラベンダーの前だぞ・・・!?)
「ハイっていうまでやめなーーい」
「は!?おふざけはやめろよ!」
「はーー?wちょっと何言ってるかよくわかりませんねー」
「っ・・・!」
「・・・わかった!
「わかったから・・・!もう!さっさと離せ!」
「よっしゃ~~」
「ちゃんと覚えとけよー?
「お前、そういうとこけっこうズサンだからさぁー」
「高校のときもそうだったじゃん!
「ホラ、あの文化祭のさー」
「私、ちょっと煙草吸ってくるね。」
「はーい。で、さぁ・・・」
「えっ・・・」
(タバコ・・・?ラベンダーはタバコなんて吸わないのに・・・)
「お、俺ちょっとトイレ!」
「はぁー?」
「んだよもー!いま、めっちゃいいとこなのにー」
「ごめん!ちょっと待ってて」
「・・・」
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