きらきらひかるシャンデリア
笑いさんざめく人々
すべてが美しく、ぎらぎらとまぶしい。
____まるで作り物みたいだ
「お久しぶりです。お父様」
「マオ!よく来てくれたね!元気だったかい?」
「ええ、とても!」
「はは!とっても元気なようだね・・・安心したよ」
「お父様こそ・・・!お変わりないようで安心しました」
「しかし・・・少しふっくらされましたね。甘いもののとり過ぎではありませんか?」
「いや・・・それは」
「まったく。お父様は私が注意しないとすぐこれですから・・・・・・」
「マオ、君は少し痩せたな」
「そうでしょうか」
「疲れがたまっているのではないか?ほら、目の下に隈ができてる」
「研究が忙しいのかい?」
「ええ・・・少し」
「マオさんは大学で理工学を専攻してらっしゃるんですよね
「なんでも、研究所内でも秀才で有名だとか」
「ふふ、優秀すぎて困ってしまいます」
「こら、マオ。あまり調子にのるなよ」
「わかってますよ」
「・・・あんまり勉強ばかりしても体に毒だぞ。少しは遊んでみたらどうだい?」
「そうだ!今度家族みんなでキャンプに行こうじゃないか!」
「それは素敵ですね」
「浜辺でバーベキューもいいな!」
「はは、ヴェレッド殿。海と山、どちらになさるんですか?」
「ちょっと黙ってくれ、アーロン。今マオと大事な話をしている最中なんだ」
「ヴェレッド殿は本当に子煩悩でいらっしゃいますね」
「当り前だろう!マオは自慢の息子だからね!
「気立てがよくて、優秀で、なによりハンサム!彼ほど完璧な息子はいないよ」
「はははは・・・・・______」
人々の間をするりとすり抜け、その場からなるべく離れるよう歩を進める
父親が開いたパーティは大盛況のようで
あちこちで話に華が咲いている
楽しそうでなによりだ
「マオ様、お飲み物はいかがですか?」
「___ああ、いただくよ」
グラスを渡してきたボーイに軽く礼を言うと
馥郁とした香りの漂うシャンパンをゆっくりと喉の奥に流し込む
父親が開くパーティの食事はぎとぎとと贅を凝らしすぎていて、口に運ぼうという気にならないが
飲み物だけは格別だった。
俺はその香りを存分に愉しむと、空になったグラスをボーイに渡した
すると、彼はにっこりとほほ笑み、
俺の耳元に唇を近づけ_____そっと耳打ちをした
「マオ様。突き当りの部屋へ、45分後にお越しください。
「お父様がお話をしたいそうです」
「おい、なんだその格好は」
「は?」
「ちゃんとした格好で来いと言っただろう。なのになんだ、そのだらしない服装と髪型は。」
「別にいいだろ。スーツ着てんだからよ」
「せめて髪型ぐらいはなんとかできただろう!まったく、いつまでもチャラチャラとしているんじゃない!見苦しい!!
「おい、・・・・ロゼはどうした?」
「は?俺が知ってるわけねぇだろ。連絡通ってねぇんじゃねぇの」
「くそ、あの女・・・!
「今日のパーティはイメージ戦略の要なんだぞ!!俺に恥をかかせる気か!!」
「はっ、テメェの嫁だろうが。女ひとり手懐けらんねぇのかよ」
「なんだと?!」
茶化すように言ってやると
男はまるで子供のように素直に怒りをあらわにし、俺を口汚く罵った。
俺はそれをにやにやしながら見やる。
これじゃあ、どっちが子供だかわかりゃしないな
しばらく、きいきいと煩い豚の鳴き声を聞いていると
「煩いわねぇ
「大きな声を出さないで頂戴」
ビロードのカーテンから美しく装った女が大儀そうに顔を出した
「・・・・ロゼ!
「お前は・・・・!ずっとここにいたのか!?なぜパーティに顔を出さない!?」
「何故って・・・・行きたくないから行かなかっただけよ?
「私はマオに会いに来たんですもの。誰が、あなたの取り巻きになんかに会うもんですか」
「なんだと?!貴様・・・・!妻としての職務を放棄する気が!?」
「ふん!何が妻としての職務よ!偉そうに言わないで頂戴!これだから嫌なのよ。政治家って」
「金にがめつい強欲商人が何を言う
「貴様らのような蛆虫に何を言われたところでなんとも思わないね」
「口だけは達者なんだから!本当に腹が立つわ。この、ペテン師!」
「はっ!ペテン師はどちらだ
「なぁ、マオ。お前も何か言ってやってくれ」
「ちょっと、マオに何を言わそうとしているの?
「言い争いをさせるような真似はやめて頂戴!マオは私の会社を継ぐ、後継者なのよ!」
「なんだって!?」
「マオには経営の才能があるの。この子は私の跡を継ぐにふさわしい人間だわ」
「ふざけるな!!マオは政治の道を歩む事になっているんだぞ!
「そのために・・・・俺が今までどれだけ投資をしてきたと思っている!!」
「はぁ!?あなたがマオのために何をしてあげたっていうの!?」
____ぎゃあぎゃあぎゃあぎゃあ
騒がしい豚どもだ。
ここは家畜小屋かっつーの
あーあ
こいつら、早く死んでくれねぇかな
家畜どもの罵り合い劇場をしばらく観覧していると
トントン、とノックの音が響いた。
と、先ほどまで口論をしていた男女はその音にはっと口をつぐみ、豪奢な装飾が施された扉を凝視する。
その様を見て____俺は吹き出しそうになるのを必死でこらえていた
あのばつの悪そうな表情。おかしいったらないな。あまりにもまぬけで、醜悪で・・・・!
あんたらを崇め称える信者どもに見せてやりたいぜ
「失礼致します」
「なんだ?セバスチャン。今家族で大事な話し合いをしているところだから
「邪魔をしないでもらいたいのだが」
「はい、それが・・・・マオ様の秘書と名乗る者が、ヴェレッド様とローズ様にご挨拶をしたいと申しておりまして」
「秘書だって?・・・・そんな者を許可した覚えはないが」
「はい。ですから一度ご確認していただきたく・・・・」
「わかった。通せ。」
「はい。」
許可を得た執事はさっと扉の外へ姿を消すと___若い男を伴って俺たちの前へ姿を現した
その若い男は靴音を響かせながら一歩前へ歩み、優雅に礼をする
「はじめまして。マオ様の秘書をさせていただいておりますアイリスと申します。」
相変わらずの無表情でアイリスはそう言った。
すらりとした身長と、深い藍色の髪によく似合うスーツ。
それらを備えたアイリスはとても見栄えがして、こいつらよりももっとずっとマシな人間に見えた
それに気付いたのか、女はさっと、さも優雅げに腰かけると
アイリスのことを食い入るように見つめた。
「あら、秘書だなんていうからどこの女かと思えば・・・なかなかかわいいじゃない
「随分若いのね。マオと同じくらいじゃないの。あなた、学生?」
「はい。マオ様と同じ大学です」
「あら!じゃあ優秀なのね。出身はどこ?お父様とお母様のお名前は?」
「出身は・・・どこだかわかりません。町を転々としていたので。
「なので、父母の名をお話しても存じ上げないかと」
「まあ・・・!なんですって!?」
「ちょっとマオ!なんでこんな男を秘書にしたの?!
「そばに置く者は家柄まできちんした人間を選びなさいとあれほど言ったでしょう?!」
「は?なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないわけ?俺が誰を雇おうが勝手だろ」
「何を言っているの!?こんな人間を雇っていると知られたらマオの品位が疑われるのよ!?
「それくらいもうわかる年頃でしょう!?」
「それくらいもうわかる年頃でしょう!?」
「ふん!・・・・今度はこの男が相手なのか?マオ」
「な、なんですって・・・!!」
「どうせまた、例の病気だろう?まったく・・・!息子が男狂いだなんて・・・情けなくて涙が出るよ
「後処理をするこちらの身にもなってほしいね」
「やめてよ!そういうことを言うのは!!」
「男同士だなんて、穢らわしい・・・・!」
「まぁ、そう言うなよロゼ。
「今はどんなことにも興味がある年頃だからね。ゲテモノを喰いたいのだろうさ」
「好きなだけ遊べばいい。男相手なら妊娠させる心配がないから安心だ」
「あなたはまた、そうやってマオに取り入ろうとして・・・・!」
「お前だってそうだろう?!」
「なんですって?!だいたい、あなたのせいでマオは・・・・・・!」
けがらわしい
けがらわしい?
それなら、あんたたちは
そうでないとでもいうのか?
自分は清廉潔白で、まっとうな人間だとでも?
どいつもこいつも最低の屑野郎ばかり
____反吐が出る
「あら・・・?」
「ああ、ごめんなさい。マオ。もう少し話したかったけど・・・・仕事があるからそろそろ行くわね」
「愛人からのラブコールかぁ?」
「ちょっと!マオ!何を言ってるの!?」
「別に隠すことねぇんじゃねぇの?そこのオッサンだって女囲ってっし?」
「各々好きにやりゃいいんじゃね。勝手にさ」
「誤解を生むようなことはやめてほしいな。マオ。俺はそんなことはしていない」
「はっ!どうだか」
「別にあなたがどうしようと関係ないわ。
「でも__マオに悪い影響を与えるようなことがあったら、許さないからね」
「はっ。よく言うよ___」
女はそう早口で捲し立てると
ヒールの音をカツカツと響かせながら立ち去って行った
それを冷たいまなざしで見送った男は、さっと人好きのする顔をするとアイリスに話しかけた
「はは、見苦しいところを見せてしまったね
「ああ、君・・・えっと・・・」
「アイリスです」
「ああ、アイリス君。うちの息子をよろしく頼むよ。あとそれからこれ。
「お近づきの印に、これをあげるよ」
「え・・・・」
男はにこにことほほ笑みながら、まるで握手をするかのように自然に
___小切手をアイリスに手渡した
「ここに好きな金額を書きなさい。どうせ君は貧乏家庭出身なのだろう?大金を手に入れるチャンスをやろう」
「その代わり___
「今の会話、聞かなかったことにしてくれるかな」
「・・・・はい。わかりました」
「ありがとう。君は賢いね。賢い人は好きだよ
「といっても、私はノーマルだからね。君の相手はできないよ?なんちゃって・・・!はは」
「じゃ、私はこれで」
「____何で来たわけ?」
「後15分程で皆様の前でスピーチを披露される時間になりますので、呼びに参りました」
「ふぅん」
「紅茶をご用意します。ミルクティーとレモンティー、どちらがいいですか?」
「・・・・」
「・・・陛下?」
「海に行きたい」
「海、ですか」
「ああ。海で泳いで、帰りにカフェへ寄ってコーヒーとパスタを頼むんだ。」
「連れて行けよ」
「・・・・スピーチなんて、俺じゃなくてもできるだろう?」
「・・・・」
「___はい。わかりました」
・
・
・
アイリスの運転する車から降りると、外はどしゃぶりだった。
傘に当たる雨の音を聞きながら俺はふらふらと海沿いを歩いた。
その少し後ろをアイリスがぴったりと付き従う。
いかにも憂鬱な天気だ。風はひんやりと冷たく、波は荒い。
泳ぐことなんてもちろん不可能だったが、荒れた海を見ていると気分がすっとした。
ぼんやり海を眺めていると、俺の少し後ろを歩いていたアイリスが
そっとそばに近寄り、隣に並んだ。
「寒いですね」
「・・・・」
「風が冷たいです。もう、夏も終わりなのでしょう」
「ご自宅へ戻りましたら、温かい飲み物を作ってさしあげます」
「・・・あんた、作れんのか?」
「ホットミルクかインスタントのものなら」
「いらねぇよ」
____なんてことのない会話に救われる
両親と会うと胸の中が虚脱感で満ちあふれてしまう
急に水底へ沈み込み、ごぼごぼと息ができなくなってしまうような、そんな息苦しさを感じる
何を言っても無駄な親
うるさく騒ぐ、家畜ども
言葉が通じやしない
なにもかも、手に入れられると思っていたのに____
その点、アイリスは最高だよな
なんでも思い通りになる、俺のかわいいかわいいお人形。
俺の言うことなら、なんだってきいてくれる。
それが例え、自分の意志に反することでも。苦痛を伴うことでも。なんだって。なんだって。なんだって。
___そうだ。俺にはこいつがいる
この、どうしようもないほど愚かで、淫らな肉奴隷が_____
そう思うと、またあの赤黒い欲望がむくむくと湧き上がり、
この男を試してみたくなった。
俺のために、どこまでできるのか
どこまでしてくれるのか______
「・・・・なぁ、いま、海の温度って何度くらいなんだろうな」
「え?それは・・・どうでしょう
「雨も降っているので・・・かなり冷たいだろう、としか・・・」
「調べてこいよ。」
「え・・・・・・?」
「飛び込めよ。あの埠頭から海飛び込んで調べてこい」
「陛下・・・それは・・・」
「まだ夏だろ?いけるって」
「ですが・・・・あの埠頭はマフィアの隠れ家になっています。本来は、ここから眺めているだけでも危険なんですよ
「それに、今日は海が荒れすぎていて・・・・とても___」
「そんなこと知ってんだよ!!んだぁ!?俺の命令がきけないのか!?」
「・・・やめるか?
「今ここでゲームを終わらせてもいいんだぜ?」
「・・・・・」
「____やらせて、いただきます。陛下・・・・・」
アイリスは傘を手放してその場に跪き、俺の靴にキスをした。
「はぁっ・・・!あ・・・っ」
びちゃびちゃとしずくを滴らせてアイリスが水から上がってくる
水温はよほど冷たかったのだろうが。唇はすっかりと青ざめ、体をふるふると震わせ地面にうずくまった
随分体力を消耗したようだな
俺はそんな奴隷にちらりと目をやるとにっこりと笑みを作った
「___で、何度だった?」
「・・・か、りません
「わかりま、せんでした・・・・申し訳、ありません・・・・」
「____役立たず」
・
・
・
ひとしきりそうやって罵倒してやってから
俺はアイリスを手近なホテルに連れ込んだ
びしょぬれの男を伴ってホテルへ入る俺はかなり目立っただろうが
どうせ、あいつらがなんとかしてくれるだろう
もう、どうだっていい
愉しいこと以外は、すべて。
「あっ・・・・!が・・・・っ」
「あーあ。こんなに凍えてかわいそうに。寒かっただろう?これじゃあ風邪をひいちまうな?
「はは。暴れんじゃねぇよ。せっかく俺が洗ってやってるんだ。ありがたく思え?」
海から上がったアイリスはひどいにおいがした
だから、俺がキレイにしてやる
髪を掴んでざあざあとお湯をかけ___まるで犬か何かを洗うみたいに
「俺にお世話されてうれしいか?なあ?なんとか言えよ」
「___あ、そうか。これじゃ返事ができねぇな」
髪を掴んで押さえつけていた腕をぐっと引っ張り、立たせるようにすると
アイリスはくぐもったうめき声を漏らして壁に身を預けた。
俺はその苦しそうな表情を満足げに眺めると、するりと頬を撫でてやる
「うれしいか・・・・・?
「俺のそばにいられて。俺の言うとおりに弄ばれて、うれしいか?」
「はい・・・・陛下。」
オウムのように繰り返すアイリスの言葉を耳にしながら、熱い滴が滴る頬を拭うかのように撫でつけ、俺はするりと唇に触れた
真一文字に結ばれたその形を確かめるかのようにゆっくりと撫でる。しっとりと、あたたかな唇
湿り気を帯びたそこはとても艶やかで、___とても、そそられた
そこに口づけたら、どんな味がするだろうか?
舌で舐めとり、吸い付いたらどのような蜜が溢れ出すのだろう
そして、アイリスはどんな反応をするのだろうか?
確かめてみたい衝動に駆られ、アイリスを見つめると___とあるものが目に入り
俺は思わず笑ってしまった
「___透けてるぜ?」
「その、肩紐みたいなのが」
「・・・・・っ!」
「うわ、エッロ。それさぁ、もう脱いじゃった方がいいんじゃね?」
「・・・・」
「脱げよ」
「しかし・・・」
「脱げって言ってんだろ?___それとも、なんだ?俺に脱がせてほしいのか?
「はっ!奴隷のくせに生意気だな」
「違います」
「じゃ、脱げよ。
「上に着てるもの全部取っ払って"ソレ"を見せてみろ」
笑いながら命令を下すと、アイリスはしばらく瞳を伏せた後・・・・従順に服を脱ぎ始めた。
湿り気を帯びたシャツをはだけさせ、ぐっしゃりと脚に、太腿に絡みつくスラックスを脱ぎ取り____
すべてを露わにさせる
「はっ・・・・!あんた、あんな上品なスーツの下にこんな卑猥なもん着てたのかよ」
「とんだ変質者だな。一回死んだほうがいいんじゃねぇか?」
「・・・陛下が着ろとおっしゃったのでしょう。スーツの下にこれを着て、パーティに出ろと。
「俺は・・・貴方の言うとおりにしただけです」
「言うとおりにしただけだと?じゃあなんで反応してんだよ」
「っ・・・・!」
「チンポおっ勃ててそんなこと言ってりゃあ世話ないよな。このド変態野郎が
「・・・また気持ちよくなりたいんだろう?あんなによがってたもんなぁ」
「・・・・そんなこと、望んでません」
「ふぅん」
「じゃあ___俺がその躰に教え込んでやるよ。望まずにはいられないほどの快楽をな___」
「___命令だ。体をよく拭ったらベッドまで来い。存分に可愛がってやるよ」
奴隷は俺に従順だ。奴隷は俺の言うことならなんだって聞く
それが例え、自分の意志に反することでも。苦痛を伴うことでも。なんだって。なんだって。なんだって。
命令通りベッドまでやってきた奴隷を仰向けにさせると
俺はローションをたっぷり手のひらになすりつけ、その躰をまさぐった
太く、男らしい首筋、思わず噛みつきたくなるような鎖骨、ふっくらと勃起した乳首、張りのある腹筋
男のくせになめらかな肌を擦るように、確かめるように何回も何回も撫でつけてやると
奴隷の躰がだんだん熱を帯びるのがわかる
最初は驚いたように強張っていた体が・・・だんだん力が抜け、甘く弛緩していく
黒い布を押し上げるかのように隆起した男根を戯れにつつ、と撫で上げてやると
奴隷は眉をしかめて喘ぎ声を漏らした
「んん・・・・・っ」
厭らしい声。甘く、媚を含んだ声。
俺は口の端を歪めて笑うと、指を胸元へと這わし___紐で締め付けられている部分をばちんと乱暴に引っ張った
「あっ・・・!・・・痛っ・・・!」
「気持ちいいだろ?あんたは痛いのが好きなんだもんな?」
「そんな・・・・」
そう囁いてまたばちんと紐を弾くと奴隷の躰がびくりとする。反応がおもしろくて何回も何回も弾いてやると、肌に鮮やかな痕が残った
その綺麗な色をした痕をべろりと舌でなぞってやる
「あっ・・・・・う・・・っ」
忽然と身悶える奴隷に俺は満足げにほほ笑むと、今度は乳首を引っ掻くように刺激してやる
「んっ・・・・!」
「はっ。あんた、やっぱり痛いのが好きなんじゃねぇか。感じやがって。きっも」
「ちが・・・・」
「とんだドMだな。ホント、尊敬するわ」
そうやってひとしきり遊んでやってから俺は指を下肢へと運んだ
頼りなげな紐で締め付けられている双丘へ指を這わすと
その紐をずらし、アヌスを湿った指でやわやわと撫でてやる
「あ・・・っ、ううっ・・・・・」
そこへの刺激はまだ慣れていないのだろう。奴隷は戸惑ったかのように身を震わせ、吐息を吐いた
しかし、戸惑う心とは別のようで・・・・さきほどから奴隷の猛ったモノがゴツゴツと腹に当たって煩わしいほどだった
違うだなんだとか言って、やっぱり感じてんじゃねぇか
じわじわと黒い染みを作り巨大に隆起するその男根こそが、こいつの欲望の証。
したいのだ。こいつは
俺を欲して、こんなにも高ぶらせている
そう思うと、脳から痺れるような快感が駆け巡り___
俺は用意しておいたローターを奴隷のアヌスへと挿入した
「うっ、ぐ・・・・!」
うめき声をあげる奴隷を無視ししながら、肉襞を割ってぐぷりと押し込む
解していない秘蕾は固く、俺の侵入を拒んだが、最初に弄った時よりも幾分か緩やかになっており
あっけなくすべてを飲み込んでしまった。___まるで、もっともっと犯してほしいかのようだ
「あぁっ・・・・・!そこは・・・・いや、です・・・・」
「嫌じゃないだろう?痛くて、気持ちよくなるぞ。ドMのあんた好みのはずだ」
「俺は・・・・マゾでは、ありません」
「えー?うっそ、マジ?じゃあ・・・・これからのことはつらいかもな」
「・・・え?」
戸惑う瞳をかわして立ち上がると
アイリスに持たせていたバッグから蝋燭とライターを取り出して火を灯す
ゆらゆらと揺れる炎
その炎をしばらく舐めるように眺めてから、奴隷へと視線を移した。
「蝋燭プレイしようぜ?俺一回やってみたかったんだよね」
「あ・・・・・陛下、・・・・お赦しを・・・・・・それ、だけは・・・・・」
唇を震わせて哀願する奴隷の言葉を無視して
俺はその躰に跨ると
尻に挿入した玩具のバイブレーションをオンにしてから
燭台を傾け___蝋をポタリと、その肉体へ落とした
「う、あぁっ・・・・!」
刹那__躰をびくりとしならせ、奴隷がよがった
俺の手から毀れ落ちた飛沫は奴隷の胸を白く彩り、薔薇色に染まった肌に映えて目に美しい。
そして___とても卑猥だった
その姿にどうしようなく興奮し、俺は更に蝋を落とした
「うっ・・・!あ・・・・・っ」
「あんたは俺の奴隷なんだろ?だったら啼けよ。ほらほら!」
ローションでてらてらと光る奴隷の肉体に白い飛沫がポタリ、ポタリと落ちる。
そのたびにビクリ、ビクリとのけぞり、喘ぐ奴隷
この蝋燭はソレ専用に開発された低温蝋燭だから、高い位置から落としてやればやけどをするようなことはない。
少し熱いお湯がかかった程度の熱さしか感じないはずだ。____なのに、この奴隷はこんなにも感じて、喘ぎよがっている
ローターでじわじわと尻を犯される感触と、屈辱的な格好、そして蝋燭責め。
異常な状態が重なって混乱してしまっているのだろう
だから感じてしまうのだ。蝋燭で・・・・・・!
なんて無様なのだろう
愉しくてしかたがない。
蝋で汚されて、玩具で弄ばれて。俺に蹂躙されて
「や、め・・・・・・・」
「は?なに言ってンの?やめてほしいとかぬかしちゃうわけー?
「でも、あれあれー。おっかしいなぁ。ココ、反応しちゃってるみたいだけど?」
「ほらぁ、見てみろよ。染みまでつくっちゃってさぁ。せっかく俺が買ってやったのに、台無しなんですけど。」
「うう・・・」
「蝋燭で感じるとか。あんたってホントに変態だな。マジできもちわりぃよ。あんた」
奴隷は低いうめき声をあげて顔をそむけた
変質者のくせに恥ずかしがってんじゃねぇよ・・・・!
顔をそむけた奴隷の態度に腹が立つ。目をそむけたところで何も変わりはしないのに。
あんたはただ、黙って俺を受け入れるしかないのに
俺は苛々と舌打ちをし、奴隷の髪を掴んで乱暴にこちらを向かせ、目線を無理やり合わせた
すると____
「あっ・・・・・」
そこには・・・・あのアイリスがいた
淫らに吐息を滲ませ、熱く俺を見つめるあの淫乱な性奴隷が______
もっとひどくしてほしいと、悦楽に濡れる瞳で俺を誘う
俺の人形が・・・・・
その顔に、その瞳に、どうしようなく煽られ
またあの衝動に脳が侵される
サディスティックな興奮と、はち切れんばかりの欲望と_____どろどろとした支配欲に。
もっと、見たい
冷たい瞳に隠された本性を暴きたい
アイリスの心の奥底、
もっともっと内側のどろどろとしたものが見たくて見たくてたまらない
がんがんと頭が打ちつけられるような衝撃にさらされた俺は_____
俺は・・・・・汁でぐしょぐしょに濡れ、びくびくと脈打つアイリスの男根を
靴の裏で思い切り踏みつけた
「ぐっうぅっ・・・!痛い、です・・・・・や、め・・・!」
「痛くねぇだろ・・・?ほら、ほらぁ!」
「あっ、ああっ・・・!」
緩急をつけ、扱くように踏んでやると
またはちきれんばかりに隆起する男根が目に入り、俺は笑い出しそうになる
「・・・謝れよ。
「蝋燭でビンビンに感じちゃって
「おちんぽグッショグショにしちゃう変態でごめんなさいって謝れよ!」
「あっ・・・・!ああっ・・・・・せん、ぱ・・・・・」
「あ、ああっ・・・・・・・!」
愉しい。
ギシギシと軋むベッド
びくんびくんと反応する白い飛沫で汚された肉体
アイリスの淫らな喘ぎ声
愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい、愉しい
俺に見せろ。あんたの内側、全部俺に見せろ・・・・・・
もっともっと、俺を愉しませろよ______
「___てか、マジあいつ何なん?約束破ったアゲク、連絡もナシとかありえなくね?」
「ちょっと金持ってるからって調子のってんじゃねぇよ」
「マジ次会ったらボコっすわー」
「はは、それいいな!おめー、やっちまえよ!」
「は?俺だけーー?!みんなでやっちまえばいいじゃーん」
「はは・・・・」
「ん・・・?おい。アレ・・・・」
「セージ?セージじゃねぇか」
「あ・・・・!デ、デレク、くん・・・・・」
「おーーーう!セージちゃんじゃぁーん」
「はは!ほんと、どうしたんだ?こんな夜中に?
「おめーみたいなのがフラフラしてたら即餌食にされちまうぜー?」
「あ・・・え、えっと・・・・バ、バイトの・・・・帰りで・・・・・」
「ふーん」
「てか、お前さぁ、マオのやつ見なかった?」
「え!?マ、マオ・・・・くん・・・?」
「ああ。あいつと今夜クラブに行くってハナシだったのによぉ、ブッチられたんだよねー」
「はは!デレク。おめーフラれちまったなぁー!」
「うっせーよ!」
「あ、あ・・・・・え、え、えっと・・・・・わ、わかん、ない・・・・」
「そか」
「・・・・・ん?お前・・・・その時計、どうした?」
「えっ・・・・?!」
「うわ!なんだよセージちゃぁーん!それ、ブランドモンじゃねぇ?!」
「うは、マジじゃん!どうしたんだよ。ソレ」
「えっ!?べ、べ、べ・・・・!べ、べつに・・・・・!」
「___ふぅん」
「お前さぁ___ちょっと、顔かしてくんない?」
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