この物語はフィクションです。
作中に出てくる事件、団体、人物、思想はすべて架空のものであり、筆者の思想及び実際の出来事とは一切関係ありません。

白い肌、汗がじっとりとにじんであたたかい
やはり少年の肌は最高だ。すべすべでやわらかい。
すべて食らい尽くしてしまいたくなる
食らい尽くして食らい尽くして胃の腑に収めてしまいたくなる

ずっとずっとこの機会をうかがっていた
彼に焦がれ・・・・自身をナカに収めてみたいと思っていたのだ
"嫌がる演技をする彼"の腕を押さえつけ、デジカメで写真を撮る
カメラごしに美しく映るのは自分と彼の愛の営み。
ああ、なんてうつくしいんだろう・・・!
彼の瞳を覗き込む。硝子細工のように壊れそうな瞳には自分の顔。
___快楽に濡れる歪んだ獣の微笑が映っていた
彼の瞳を覗き込む。硝子細工のように壊れそうな瞳には自分の顔。
___快楽に濡れる歪んだ獣の微笑が映っていた

「・・・はははは
「はははははははははははははは!!」
・
・
・
ツインブルック★ニュース!

『深夜未明、ツインブルックのアンジェール通り501番町にて
少年に性的暴行を働こうとした筆者A氏が強姦容疑で逮捕されました。
A氏は逮捕される際負傷したため、現在病院内にて治療を受けており、
治療が終わり次第、取り調べを受ける模様。』

「まだ幼い少年が襲われるだなんて・・・・なんとも痛ましい事件が起きてしまいました。。。
犯人がすぐに捕まったのは幸いですが・・・心に傷を負った少年が本当にかわいそうです
この事件についてみなさん、どう思われますか?」

「えーちょっとマジひどくなーーい?ゴーカンだなんてありえないわ!」
「ホントホント!!セ●クスってのはちゃんと合意をとってやるモンだわよ!犯人の男、サイアクね!!!」
「いま病院にいるらしいけどサァ、治療とか、しなくていいから!!」
「あ、わかるーーwwむしろ、もっとぶんなぐちゃっていいから!つか死んで?みたいなーwww」
「そう!その通りです!!」

「性犯罪者は死ぬべきです!!世の中に必要のない存在なんです!!ゴミカスです!!!
「A氏は、心の底から死刑になってほしいですね♥ ハイ、それでは次のニュースです___」
ツインブルック警察所内、取調室

「君がどうしてここにいるのかわかるか」
「・・・・」

「筆者安藤、職業、無職フリーター。何をやっても長続きせず、アルバイトを転々としていたが
今年の夏ごろ、知人の紹介で家庭教師のアルバイトを開始し、そこで被害者少年と知り合う。

「君の評判はよく、少年の両親からも随分信頼されていた。
実際、少年の成績は見る間にあがった。近所の者からはまるで本当の兄弟のように思われていたようだね。
しかし、君は昨夜、夜11時ごろ、被害者宅付近の通りで彼に性的暴行を働こうとした。
・・・そうだね?」
「・・・」
「被害者の叫び声でそばを通りかかった善良な市民たちが集まり、
彼は難を逃れたが・・・・心を閉ざしてしまい、話すことができなくなってしまった。」

「君が、やったんだろう」
「・・・・」
「・・・・」
沈黙が重なる。私はその沈黙を吸い込むようにして容疑者へ質問を続ける。早く、罪を認めてつぐなってほしかった。
そうしないかぎり、被害者も、容疑者である彼自身も救われることはないのだから・・・・

と、いう思いもあったが早く家に帰ってアサシ●・クリードをしたかった。
昨日やっと、念願のエッ●スボックスを手に入れたのだ。できるだけ早く仕事を終わらせたかった。
性犯罪者が何か言っている。私は深くためいきを落とした
「ぶっ殺すぞクソ野郎」

「・・・被害者にひどいことをしたとは思わないのかね」
「・・・筆者は、ちがう・・・・ちがうんだ!ただ・・・そこを、通った、だけだ
偶然、通ったら彼がいて・・・男に組み敷かれていて・・・助けようと思って・・・それから先が思い出せない!
なぜか筆者が捕まってて、それで・・・・・・・・・・・あたまが、いたい・・・」
「その傷は、少年を守ろうとした地域住民によって付けられた傷だと調書には書いてあるが?」
「そん、な・・・」

容疑者が悲痛な声を上げる。どうやら何も覚えていないようだが・・・それは果たして本当のことなのだろうか
犯罪者というのは嘘が得意だ。白をも黒にしてしまう。しっかりと見極めなければならない
容疑者からどのように話を聞き出そうかと考えていると、扉の向こうから何やら騒がしい物音が聞こえた。

「ちょっと、やめてください!」
「離せ!」
「こ、こまります!いくら刑事さんでも・・・!そんな!」
不審に思って外の様子をうかがおうとすると・・・
勢いよく扉があき、茶髪の若者が部屋の中に飛び込んできた

「この!性犯罪者!!!被害者の心を踏みにじり!少年のあかるい未来を奪い去った!
あんたは、最低の犯罪者だ!」

「ちょっと!!__刑事!!落ち着いてください!冷静に・・・っ!」
茶髪の若者に続いて、黒髪の青年が入ってくる
二人とも私の部下だった。

「ちょっ、き、君たち!?」
「落ちついていられるわけがないでしょう!!あんたがやったんだ!あんたが・・・!!」
茶髪の部下は鼻息も荒く、今にも飛び掛からんといった様子で容疑者を睨み付けていた。
激しい感情は捜査に支障をきたす。私は彼を落ち着かせようと口を開くが・・・その声は容疑者によってかき消された
「何故そう思う」
「それは・・・あんた自身がよく知ってるんじゃないか」

「あんたのブログ、タンブラー、ついったーすべて見させてもらったぜ。よくもまぁあんなことをぺらぺらぺらかけるな!」
「・・・どんな内容なんだ」
「・・・こいつのブログ、アダルトサイトなんですよ。ホモな登場人物とショタばかり出てくる・・・創作小説のね!」
「な、なんだって!?」
「男×男の・・・それはまぁ、眉をひそめるような内容ですよ。読んでられたもんじゃありません
しかもその中のひとつに・・・まるで自分と容疑者少年の恋愛を描いたような話がありました!これが、決定打ですよ・・・!」

「んなの・・・全然証拠になんかならないだろ。確かに筆者はゲイで、ショタコンだ。それは認める。
だけど、その趣味嗜好を小説内に反映してなにが悪いんだ?表現するのは自由だろ・・・!
それに、それはただの二次元内での萌えだ。三次元と二次元は大きな隔たりがある。そんなこともわかんないのか」
「はっ!本当に二次元だけなんですかねぇ!?」
「・・・っ」

「あんたのタンブラー、「スキ」してある画像、三次元の少年と青年が性交している画像ばっかりじゃないですか」
「なっ!!」
「JIFもありましたよ。あとあんたんちのPCの「野鳥観察」フォルダ!エロ画像がどっさり。
その奥の奥に隠されていた「哲学」フォルダには動画だってありましたよ」

「しかもそれはなんとまぁおびただしい数・・・!常軌を逸した量なんです!!!これは異常です!!
警部!こいつはホンマモンのショタコンです!!!性犯罪者予備軍だったんですよ!!!!」
茶髪の若者が持ってきた証拠は決定的なものだった。
部屋の空気がどよめく
すると・・・・

「・・・ショタコンの何が悪い」
「なん、だと・・・?」
「ショタコンの何が悪いって言ってんだよ」
「こいつ・・・!」

その一言を聞いた茶髪の部下は容疑者のもとへ詰め寄り、襟首を掴んで締め上げた。
容疑者のくぐもった呼吸音が聞こえる。その音を消し去るかのように拳を振り上げ____
「やめて!やめてください!!!ここは警察署内ですよ!!こんなところで・・・!
取っ組み合いなんてやめてください!!」
「だって、こいつが・・・!」
「__刑事!!」
「__君」

「おちつきたまえ」
「・・・警部っ・・・!ですが・・・」
「落ち着きなさいと言っている」
「っ・・・・」

「・・・はい・・・すみませんでした・・・」
茶髪の若者はあきらかに容疑者を・・・いや、ショタコンに対して憎悪の感情を持っているように見えた
でなければこんなに感情的になるはずがない・・・彼は本来なら、とても穏やかな人物なのだ・・・・
「どうして君はそんなに・・・容疑者を追いつめようとするんだ。ショタコンを・・・憎んでいるのかい?」
私の質問に彼の肩がびくりとする
それからゆっくりと私の方を見上げ・・・・うつろな目で口を開いた
「・・・・いいでしょう、僕の過去をお教えしますよ」

僕は幼い頃、近所に住んでいるおにいちゃんが大好きでした

いつも僕にやさしくしてくれて、勉強を教えてくれて、遊んでくれて・・・・
僕は一人っ子だったので、きょうだいに憧れていましたが、
彼がいれば、それでよかった

だって、僕たちはどこのどんな兄弟よりも、兄弟らしかったから。
彼にならどんなことでも話せる。どんなことでも聞いてくれる。いつでも甘えられる。頼ってくれる。
大親友中の大親友。
いつもいつも、彼が本当におにいちゃんだったらいいのにと・・・そう、思っていました・・・

だけどある日・・・

「ねぇ、___ってさ、ちんちん、さわってみたことある?」
「にいちゃん?どうしたの急に」
「ちんちんって触ると気持ちいいんだよ」
「・・・ママとにいちゃん、どっちの言うこと聞くんだよ?」
「え・・・・?うーん・・・」
「俺だよな?」


「俺の言うことを聞けよ」

えっ・・・・?
彼はそう言って僕の身体を・・・・・
幼い頃は何をされているのかわかりませんでした。
でも、大人になった今、あの行為を思い出してみると・・・
彼は僕の身体で自分の欲望を慰めていたんです。僕を・・・ただの性欲のはけ口に利用して・・・・!
こんなの、裏切りです・・・!
それを自覚してから僕は、僕は・・・・

「EDになってしまったんです!!!!!!」
「ちょっ!!?君ィイイイ!!!ここは署内だぞ!!」

「そんなの関係ない!!!あんたは僕の傷跡を見るべきだ!!!僕の心の傷跡を!!!
あんたたちのような社会のゴミのせいで!!いたいけな少年たちが被害を受けているんです!!!
性犯罪者は死んだ方がいい!!!生きている価値なんてないんです!!!」

「死ねよ!!!死んで償えよ!!!あんたたちはそうでもしてくれなきゃだめなんだ!!
心の傷は一生治らない!!!被害者は・・・ミケル君は・・・もうきっと笑顔をみせてくれない!しゃべってくれない!!!
まだあんな幼いのに・・・!
ミケル君に謝れ!!!!謝れよ!カス!!!!!!」

「・・・・」
「あんたも犯罪者だろ。わいせつ物陳列罪野郎が」
静かな声だった・・・
しかしその言葉が部下の心に深く突き刺さったのを私は見逃さなかった
私の部下は床を蹴って立ち上がると
容疑者を殴りつけた

「__刑事!!」


「やめてくださいっ!!!」
「うるせぇ!!!あんたなんか・・・!あんたなんかっ!!!」
「こんなことしても・・・ミケル君はよろこびません!!たとえ、容疑者が死んでも・・・・!心の痛みは変わりません!!」
「・・・・・っ!!」
「・・・そんなこと、わかってるよ・・・・!でも、でもっ・・・・・・」

「悔しいんだよ・・・・!
僕みたいな子を増やしたくなくて刑事になったのに・・・・なにも、できなくて・・・・
僕は・・・なにも、できなかった・・・・・・!
「・・・・・チクショウ・・・・・!チクショウ!!チクショウ!チクショウ!チクショウ!!!・・・・っ」
茶髪の部下はそう言うと・・・目からぽろぽろと涙を零した
切なげに眉を寄せて、小さな体をふるふると震わせながら・・・
そうか、彼はずっとそんなことを考えて・・・・胸を痛めていたのか・・・・・
普段穏やかな部下の烈しい一面と、切ない胸中を知ってしまい、私はひどく胸を打たれた。

「・・・私の部下がとんだ無礼を・・・すまない。大丈夫かね?」
「・・・ああ、大丈夫だ。・・・・筆者も彼にひどいことを言ってしまったし・・・・」
だが、彼が容疑者を殴ってしまったことには変わりない。どんな理由があっても、暴力は暴力なのだ・・・
非礼を詫びながら手を伸ばす。許してくれたようだが、怪我をしていてはたいへんだ。
私は容疑者の怪我の具合を見ようとして顔を覗き込んだ。
__しかし、その瞬間、私は衝撃を受けた
(な、どうして・・・・!)
容疑者はそのふざけた帽子が脱げ・・・・素顔を晒しており・・・・

その顔が、とても・・・美形だったのだ
「いやいやいや!おかしい!おかしいでしょ!肌の色までちがうでしょーーが!!!」

ズキューーーン♥
「すごい、イケメン、ですね・・・・///」
「イケメンだったら許されるってわけじゃねーぞ・・・!でも・・・僕・・・お前だったら・・・いたずらされてもいいかも・・・///」
「何を言ってるんですかイタズラしてもらうのは僕です」
「ちょッ!!部下ァーー!?君たち手のひら返すのはやすぎだろーー!」
さっきまであんな、死ね死ね言ってたのにーーー!?
茶髪の部下の豹変ぶりに私は激しくツッコミを入れたが、ふと見てみると・・・
記録係の警察官まで容疑者の瞳を見つめ、頬を染めていた。
そう、ここにいる者は私以外全員容疑者の顔に見とれていたのだ・・・・
えっ・・・・なにこれ、こわい。イケメンってこわい。
私は額に冷たい汗が流れるのを感じた

「そう言ってくれるのはうれしい。
だが、筆者は君たちにいたずらなんかしない。自分は、ショタコンだから。」
「あ・・・やはりそうなんだね。ショタコンなんだね・・・というか・・・同一人物なんだね?」
「何を言っているのかさっぱりわからないな」
「そうだ。自分はショタコンだ。
・・・・だから、自分は・・・ミケルのことを愛していた。恋愛感情をもっていた」

触れてみたいと、キスしてみたいと・・・思っていた
柔らかい頬に口づけをして、愛していると囁いて、思い切り抱きしめてみたかった
でも、だからこそ指一本触れようとは思わない
彼らを見守ることこそがショタコンの幸せなんだ!!
遠くから、彼らが家族とともに幸せそうに過ごしているところを、
友達と楽しそうに笑い合っているところを、初めて恋に落ちるところを、ただただ見守る・・・

見ているだけでいいんだ・・・・
彼らの生活に介入しようだなんて思わない
そりゃ、俺は家庭教師をやっていたさ!でも、それは下心があってのことじゃない
ただ友達に頼まれたから臨時でやっていただけだ
臨時の採用期間が終わったら、即刻辞退するつもりだった

「ミケルに何かしようとなんて思ったことは一度たりともない!ミケルの特別な存在になろうだなんて思ったこともない!
好きで、好きで、好きで、好きで・・・っ!好きだからこそ、何もしない!
俺達ショタコンは永遠の片思いだ・・・・」

「でも、それがショタコンの誇りで・・・プライドだ!!」
「・・・・っ 安藤、さん・・・・」
「本当はこんなこと、言うつもりじゃなかった・・・俺の考えを刑事さんたちが聞いてくれるだなんて思わなかったから・・・
俺の口を開かせたのは、__刑事。君だ」
「えっ・・・・?」
「__刑事。君も・・・傷ついてたんだよな・・・大好きなお兄さんに裏切られて・・・・」

「だから、俺を殴ったんだろう?俺のことを憎むのも、怒るのも、当然だ。
「愚かな・・・ショタコンの風上にもおけない性犯罪者が君にひどいことをしたのは・・・本当にかわいそうで申し訳なく思う・・・
「・・・つらかった、な・・・?・・・・・・ひどいこと言って、ごめん・・・・」
慈愛に満ちた・・・とても優しく、切なげな表情だった

「~~~!///」
「そんな・・・・!そんなこと言われたって全然うれしくありません、し!信じられません!
実際にミケルくんは被害に遭っているんですよ・・・!一番怪しいのはあなたじゃないですか・・・」

「本当にそうでしょうか」
と、ここで安藤氏と部下のやり取りを見守っていた
黒髪の部下が・・・・静かに語り始めた
「事件現場は家ではなく、路上だったのでしょう。それって、おかしくありませんか」
「なにがおかしいのだ?」
「だって、彼は家庭教師をしていたのですよ
それなのに、何故自宅で襲おうと思わなかったのですか」
「家では危険だからだろう」

だれかに見られるかもしれない路上の方が危険です。あの区画は駅が近く、昼も夜もかなり人通りがあるところです
しかも事件が起こった日は金曜日。お酒を飲みに行く人達、自宅へ帰る人達で
区画はごった返していたはずです。実際・・・未然に防げるほどだったのですから」

「彼が愉快犯だからではないか。そんな場所だからこそ彼にいたずらしたい。
そういう理論が働いたのでは?彼は被害者少年に一番近しいのだろう。やはり彼が一番怪しいと考えるのが自然だ」
「でも、彼は記憶がないと言っています」
「そんなの・・・・いくらでも捏造できる」

「彼の頭部の傷・・・これが気になります」
「・・・えっ」
「調書ではまるで「善良な市民たちの正義の行い」かのように書いてありましたが
本当にそうなのでしょうか」
「何が言いたい」
「彼の傷は明らかに鈍器で殴られたものです。しかも相当大きいものでね・・・
あの時あの場にいた人たちが・・・彼に損傷を与えられるものを持っていたんですかね」

「・・・謎が多すぎます
私達警察はもう少し慎重に捜査を重ねるべきです。ミケル君に話を聞きましょう。
筆談なら・・・できるかもしれませんし・・・」
「それではミケルくんの傷跡を開くことになる!」
「しかし、このままではいけません。これでは冤罪を招くことになってしまうかもしれない」
「だめだ!」
「・・・・警部?」

私は思わず部下の腕をつかんでいた
驚く部下の瞳に私の顔が映る、映る、映る・・・・
だめだ、それはだめだ。
そんなことをされてしまっては・・・・
「警部、やめてください・・・痛っ・・・離して・・・!」
気が付くと強く握りしめていたらしい。部下が苦痛の声をあげ、身をよじる。
しかし、私はまるで木偶のように彼の瞳に映る私自身を見つめていた
まるであの時のようだ。あの、あの、甘美な時・・・・
紅い夢の残滓にうっとりと瞳を閉じると・・・

身体ががくんと揺れた。その衝撃で自分が部下に突き飛ばされたのだと悟った
「っ・・・・!」
かたむく、ゆれる、まがる、おちる、おちる・・・・

衝撃に身を委ね、堕ち行く私。その上着のポケットから幾枚もの紙がヒラヒラと舞い散った
雪のように、天使の羽のように舞い落ちるそれは・・・・
それは・・・______

白い肌、汗がじっとりとにじんであたたかい
やはり少年の肌は最高だ。すべすべでやわらかい。
すべて食らい尽くしてしまいたくなる
食らい尽くして食らい尽くして胃の腑に収めてしまいたくなる

ずっとずっとこの機会をうかがっていた
街中で見た時から、彼の姿かたちに焦がれ・・・・自身をナカに収めてみたいとおもっていたのだ
"嫌がる演技をする彼"の腕を押さえつけデジカメで写真を撮る
カメラごしに美しく映るのは自分と彼の愛の営み
うつくしい、うつくしい
ああ、君も悦んでいるだろう?

だって君はずっと私のことをみていてくれたじゃないか。
私のことを愛しているのだろう?
あんなに私に愛のパルスを送って、あんなに、あんなに、あんなに、あんなに
その紙には・・・その写真には
"悦びすぎて涙をながす"ミケルと、私の愛の行為が映っていた
現役警部の失態に警察署内はおおわらわだった
即座に記者会見を開き、誰に対してかわからない謝罪を述べ・・・ひたすらに頭を下げた

僕はあの事件から休みをとって療養していた・・・事件の真相にとても、衝撃を受けていたのだ
警部は、最初からミケルくんのことをストーキングしていたというのだから・・・
乱暴目的で後をつけ、一人になった隙に暴行しようとした
しかし、その最中に安藤氏に止められ
争った際に安藤氏を鈍器として使用するために購入したゲーム機で殴打し____
警部の供述を聞いて刑事たちはさぞかし驚いたことだろう
まさか凶器がゲーム機だなんて・・・・わかるまい

「ミケルは私のことを愛している!私たちは愛し合っているんだ!それを・・・それを・・・!
「二人の仲を引き裂くつもりか!この、偽善者!!」
警部は・・・・自分とミケルは付き合っていたと供述し、
「あれは合意の上での行為」だと・・・犯行を否認しているらしい

ショックだった。
それは、尊敬していた上司が自分の最も憎むべき人種だったということだけなく・・・
自分が、何の罪もない人間を犯人にしたてあげてしまったかもしれない事実に対してだった。
僕は自分が一番傷ついているつもりでいた・・・
でも、そんな僕でも・・・いや、そんな僕だからこそ、
誰かを傷つけてしまうかもしれないのだということを・・・強く思い知ってしまったのだ・・・

「やあ、お疲れ」
公園のベンチで鬱々と物思いに耽っている僕に語りかけてきたのは・・・
僕が犯罪者に仕立て上げようとした安藤氏だった
「先日は・・・すみませんでした!!」
僕は飛び上がって謝罪する。謝っても許されないことかもしれないけれど
僕にはこれしかできなかった・・・・

「僕、僕・・・・頭に血が上ってしまっていて・・・あなたのことを、犯人に仕立て上げようとしていました
最低です・・・・。刑事、失格です・・・・
「・・・というか、僕、もうやめます。向いていないんです。この仕事。
また同じような事件があったら、きっとまた冷静でいられない。そんな刑事なんて・・・だめ、だから・・・・」
話している最中に涙が出そうになる。情けなくて、最低で。
こんな刑事、いらない。僕みたいな刑事は・・・いちゃいけない・・・・
どんどん沈み込んでいってしまいそうになる僕に__安藤氏は優しく触れた

「やめるな」
「っ!」
「刑事、やめんな。」

「お前は何も悪くない。ただ、思いが強かっただけだ。だから、やめるな。
やめないで、警察を続けて・・・犯罪者から子どもたちを、俺の大切な人たちを守ってくれ。
「俺の代わりに・・・・・・・」

「安藤、さん・・・・」
泣きそうな、苦しそうな、辛そうな、今にも壊れてしまいそうな
彼の心の中を垣間見た気がした・・・・
「じゃあ、俺はもう行くよ。また、どこかで会おう」
何も言えずにうつむいてしまう僕にくすと甘い笑みを残して、彼はその場を立ち去ろうとする
その背中が・・・どうしても寂しそうに見えて・・・
僕は思わず呼び止めていた。
「あ、あの!ま、待って!」
「・・・ん?」

「・・・あの、あの・・・・!ショタコンをやめてくれたら・・・お友達になってあげてもいいです!」

「・・・ありがとう」

うれしかった
そう、言ってくれて
まだ若い刑事の優しい心遣いに胸があたたかくなる
あのはにかんだ笑顔と、紅潮し、期待に濡れた瞳を見ると、彼の願望を叶えてあげたくなる
だけど、筆者は、自分は、俺は____

「・・・もう、大丈夫なのか体は?外に出ていいのか・・・・?」

「ミケル・・・・」
「おにいさんったらおっそーーい。もう、僕待ちくたびれちゃったよぉ!5秒で来てって言ったのにぃーーー!」
「そんなの、無理にきまってるじゃないか・・・・」
「えーーー?ダメだよ?僕の言うことを聞いてくれないとーーーてゆーかぁーもう、出てこられたの?」

「あーあ、つまんないのぉ!せっかく僕が君を豚箱にぶちこんであげたのに。」
「今回は上手くいくと思ったんだけどなぁー。たいへんだったんだよぉ?あのオジサンを誘惑するの
あの場所を通るたびに目線を合わせてーウィンクしてー投げキッスまでしてーーふふふっ
でもさぁ!聞いてよあのオジサン!興奮しすぎちゃって萎えてんの!!
だからずっと素股だったよぉー!もう、ホントちょうおもしろかったぁ!ふふっ」
「・・・んーー。もうちょっとでユーザイだったのかなぁ・・・でもま、いっか!」

「また次があるもんね」
そう言ってミケルは口の端を歪めた。
安藤はその表情に目を奪われる
陶器の様に艶やかな肌、天使の羽のように重たげな睫毛。血が滴ったかのように紅い唇。
細く、触れたら今にも壊れてしまいそうなのに・・・瑞々しく、蒼い果実のような肢体。
舌なめずりをしたくなるほど美しい____
そう思った瞬間、体中に電流のような刺激が走った

「あっ・・・!ん、ぅっ・・・・!」
甘い刺激に震え、目を動かすと・・・
ミケルの幼く丸い指が___安藤の太い男根を握り締め、
ゆるゆると上下に扱いていた
「あっ、ミ、ケル・・・やめっ・・・・」

「イヤなんかじゃないでしょう?だって、もうビショビショになっちゃってるよ
ほらぁ・・・ぐちゅぐちゅいってる!いやらしい音・・・・あははっ!大人のくせにだっらしない下半身だなぁー」
「うう・・・」
「・・・ねぇ、次はどんな遊びがいい?」
「羞恥プレイ?SMプレイ?あは!痴漢プレイなんてのもいいかもねー!
もちろんボクが被害者でーお兄さんが痴漢役だよ?あっ、でもそうしたらヤバいかなぁ?」

「お兄さん、今度こそ罪に問われちゃうかもしれないね♥」
先走りに濡れる男根を弄びながらミケルは蠱惑的に囁く。
心底愉しくて、愉しくて、愉しくて、愉しくて、しょうがないのだと嗤いながら

「や・・・め・・・・」
「あはは。ホントにボクに触れようとはしないんだね。かわいい。
けど、そんなにガマンしたってどうしようもないのに」
「あっ!」
突然の鋭い痛みに小さく悲鳴を上げる。先ほどまで甘い愛撫を続けていた愛しい指先が
強く、睾丸を握り締めていた
「い、たい・・・・や、め・・・・ミケル・・・・」
「やめてほしい?ねぇ、本当にやめてほしいの?お兄さん・・・」
「じゃぁ、キスしてよ。ボクにキスをして?___ボクを蹂躙して?
「壊してほしいの・・・」

「ボク、毎晩毎晩お兄さんの夢をみるよ。お兄さんに犯される夢・・・
「お尻の穴におにいさんのおっきいのが入ってね、
「あたまが馬鹿になっちゃいそうなほどきもちがいいの
「ゆめのなかではボクたちは恋人でね、お兄さんはいつも優しくボクに触れてくれるの
「やさしくボクを愛してくれるの・・・・・・・
「ゆめのなかがいい・・・」

「夢のなかみたいにして・・・ボクをお兄さんのものにして・・・!
「ボクに・・・触れて?触ってよぉ・・・・!!」

「っ・・・・・」
ミケルの告白はまるで悲鳴のようだった。
受け止めやりたい。いますぐ抱きしめて、包み込んであげたい・・・
しかし、安藤は更に拳を握りしめた
皮膚が裂け、血が滲むほど強く、強く・・・・

「でき・・・ない。ごめん・・・・・・・・」
俺は君に触れてはいけない
触れられるわけがない・・・・
ひとたび触れてしまったら・・・・自分が、なにをするかわからない。
今触れられているだけで、こんなにも爆発してしまいそうになっているのに・・・・・
俺はかならず君の人生を台無しにしてしまうだろう
だから・・・だから・・・
「こんなこと・・・もう、やめてくれ・・・・・・・!自分をもっと、大切にしてくれ・・・・・!!」

「そう・・・・わかった。それがお兄さんの答えなんだね。」
「・・・じぶんを、たいせつに・・・・?だってぇ・・・笑っちゃうよね。ホント、笑っちゃう」
「えっ・・・・?ミ、ケル・・・・」
「ボクはやめないよ。やめてあげなぁい。ボクは君が触れてくれるまで何度でも何度でも何度でも
続けるよ?バカだなー。バカなお兄さん。」

「一生ボクの玩具になってね」
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